サクセンダ注射のダイエット効果は?副作用や痩せない理由も
「医療ダイエットで使われるサクセンダって何?」「サクセンダで痩せるって本当?」このような疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
サクセンダとは、医療ダイエットで使われることの多い医薬品です。血糖値の急上昇を防止したり、自然に食欲を抑制したりする効果が期待できます。
この記事では、サクセンダの効果について詳しく解説します。サクセンダの副作用についても詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ダイエットにも効果ある?サクセンダ注射とは
サクセンダは、GLP-1受容体作動薬の一種で、リラグルチドを有効成分とする肥満治療薬です。食欲を抑え、満腹感を持続させることで、摂取カロリーを自然と減らす効果があります。糖尿病治療薬「ビクトーザ」と同じ成分ですが、肥満治療専用として高用量で使用されるのが特徴です。主に自由診療で取り扱われています。
何kg痩せられる?リラグルチド(サクセンダの成分)の臨床試験を紹介!
サクセンダにはどのような効果があるのでしょうか?3,731人を対象とした56週間の研究では、平均で21ポンド(約9.5kg)の減量に成功しました。ウエスト周りは3.2インチ(約8cm)の減少が報告されました。この研究で約85%が体重減少に成功しています。
※このデータは効果を保証するものではありません。
参考:Saxenda® (liraglutide) Injection 3 mg Clinical Trials for Weight Loss Results
サクセンダの効果はいつから感じられる?
サクセンダは個人差はありますが、使用開始から2週間程度で食欲の変化や体重の減少を感じ始める人が多いです。投与量を段階的に増やすため、効果が安定するまでに少し時間がかかります。継続的に使うことで、3カ月程度で明確な体重減少効果が出るケースもあります。
なぜ痩せる?サクセンダの主な作用を解説!
ここからは、サクセンダの主な作用を解説します。サクセンダの理解を深めて、自分に合った薬か確認してみましょう。
①満腹感を持続して食欲を抑える
サクセンダには満腹感を持続して、食欲を抑える効果が期待できます。サクセンダは、GLP-1というホルモンに似た働きをする薬で、脳の満腹中枢に作用し、食欲を抑える効果があります。食後の満腹感が持続することで、間食や過食を自然に減らすことができ、無理な食事制限をせずに摂取カロリーを抑えられます。特に食欲のコントロールが難しい人には、大きな助けとなり、継続的な体重減少をサポートしてくれます。
②血糖値を安定させる
サクセンダは、食後の血糖値の急激な上昇を抑える効果もあります。これは、血糖を下げる「インスリン」の分泌を促進し、血糖を上昇させる「グルカゴン」の分泌を抑制する作用によるものです。これにより、血糖値の急変動による空腹感や過食のリスクが減少し、安定した食生活の維持につながります。糖質過多の食生活を送っている人にも有効で、生活習慣病の予防も期待されます。
③基礎代謝を向上させて痩せやすい体に
体重が減ることで内臓脂肪の蓄積が減り、インスリン感受性が改善されてエネルギーの代謝効率が良くなるため、痩せやすい体質への変化が期待できます。運動やバランスのよい食事と組み合わせると、より効果的です。
サクセンダは保険適用にはならない!
サクセンダは、日本国内では肥満治療を目的とした使用には保険適用されません。サクセンダは、日本において未承認の医薬品であるためです。
医療ダイエットとして使う場合は自由診療扱いとなり、全額自己負担になります。糖尿病治療薬としての使用も認可されておらず、処方は医療機関の裁量で行われています。そのため、価格やサポート内容は、医療機関ごとに異なります。
効果が出にくい人も?サクセンダで痩せない3つの理由
サクセンダを飲み続けても「思ったように効果が出ない」と感じるケースがあるようです。ここからは、サクセンダで痩せない3つの理由を解説します。
①間食など食べ過ぎている
サクセンダは食欲を抑える効果がありますが、間食や高カロリーな食事を頻繁に摂っていると効果が十分に発揮されません。薬のサポートがあっても、摂取カロリーが消費カロリーを大きく上回れば、当然体重は減りにくくなります。特に甘いものや脂っこい食事を控えずに食べ続けると、サクセンダの効果を感じにくくなるため、食生活の見直しも重要です。
②継続期間が短い
サクセンダは即効性のある薬ではなく、効果を実感するまでに数週間から数カ月かかることがあります。効果が現れる前に使用をやめてしまうと、十分な体重減少につながりません。焦らずに医師の指導のもとで継続して使用することが重要です。途中であきらめてしまうと、せっかくの薬の効果も活かせないので、根気よく続ける意識が必要です。
③まったく運動していない
サクセンダは食欲を抑えるサポート薬ですが、運動を一切しない生活をすると消費カロリーが少なく、体重減少効果が出にくいことがあります。軽いウォーキングやストレッチ程度でも体を動かすことで、代謝が上がり、脂肪燃焼が促進されます。運動と組み合わせることで、サクセンダの効果がさらに高まり、より健康的に痩せることができるのです。
サクセンダには危険性も!副作用を解説
サクセンダは魅力的ですが、危険性がゼロとは言えません。ここからはサクセンダの副作用を解説します。
①吐き気・便秘・下痢・胸やけ
サクセンダを使用すると、消化器系に影響を及ぼす副作用が比較的よく見られます。吐き気や便秘、下痢、胸やけなどの症状が現れることがあり、特に治療開始初期に感じる人が多いです。これらの症状は体が薬に慣れてくると軽減することが多いですが、症状が強い場合は医師に相談しましょう。医師が投与量を調整する場合があります。
②低血糖(まれ)
サクセンダ単独では、低血糖のリスクは高くありませんが、糖尿病治療薬(特にインスリン製剤やスルホニル尿素薬)と併用している場合、低血糖を起こすことがあります。低血糖になると、ふらつき、冷や汗、動悸、意識障害などが起こる可能性があり、注意が必要です。異変を感じたらすぐに糖分を補給し、医師に相談することが重要です。
③急性膵炎(まれ)
サクセンダの使用により、ごくまれに急性膵炎が発生するリスクが報告されています。急性膵炎は、突然の激しい腹痛、背中への痛み、吐き気や嘔吐を伴うことが特徴です。このような症状が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医療機関を受診する必要があります。特に過去に膵炎の既往がある人は、使用前に医師と慎重に相談することが求められます。
1日1回の自己注射!
サクセンダの正しい打ち方と保管方法
サクセンダは、皮下注射で毎日1回、主に腹部・太もも・二の腕などに打ちます。ペン型の自己注射器を使って、簡単に自宅で自己注射が可能です。
①サクセンダの打ち方
サクセンダは以下の手順で打ちましょう。
1)キャップを取り外して先端に針を付ける
針を取り付ける前に毎回アルコール綿で消毒しましょう。
2)空打ちをする
ダイヤル部分の目盛りを「・・-」にセットし、針先を上に向けて本体を軽く指で数回はじきます。その後、皮膚に針を刺す前に注入ボタンを押す「空打ち」をしましょう。これで、注射液が出るか確認してください。注射液が出ない場合は針がしっかりセットされていない可能性があります。
3)医師に決められた投与量に合わせ、ダイヤルをセットする
通常は0.6mgから始める場合が多いです。
4)肌に針を刺し、6秒経ったら引き抜く
サクセンダの注射部位は、太もも、腹部、上腕のいずれかです。毎回注射の場所は変えるようにしましょう。
②使用量と必要本数
最初は低用量(0.6mg)から始め、体の状態を見ながら1.2mg、1.8mgと段階的に増量していきます。打ち方や衛生管理は、医師や看護師から丁寧に指導されます。
1日あたりの投与量 | 1本で使える日数 (18mg ÷ 1日量) |
1ヶ月に必要な本数 (30日換算) |
---|---|---|
0.6mg(初期量) | 30日分 | 1本 |
1.2mg | 15日分 | 2本 |
1.8mg | 10日分 | 3本 |
2.4mg | 7.5日分 | 約4本 |
3.0mg(最大量) | 6日分 | 5本(実質5~6本) |
②保管方法
サクセンダは、未使用時は冷蔵庫(2~8℃)で保管します。開封後は常温(30℃以下)でも保管可能です。ただし、直射日光や高温多湿を避けることが重要です。1本あたり約30日以内で使い切ることが推奨されており、使用期限や異常の有無を確認しながら安全に保管する必要があります。冷凍保存はNGなので注意が必要です。
サクセンダに関するQ&A
うつ病になりやすくなるって本当?
サクセンダの使用中に気分の落ち込みや不安感、うつ病の症状が出るケースなどが報告されています。気分が著しく沈むなどの精神的な変化を感じた場合は、医療機関に相談することが重要です。
サクセンダをやめたらリバウンドする?
サクセンダの使用を中止すると、食欲が元に戻って、リバウンドする可能性があります。サクセンダを使用している間に、正しい食習慣を身に付け、体型を維持できるようにすることが大切です。
妊娠中や授乳中は使えないって本当?
サクセンダを妊娠中や授乳中に使うことはできません。安全性が確認されていないため、使用は控えましょう。
●サクセンダについて
【未承認医薬品等】 サクセンダは国内未承認薬となっています。【国内の承認医薬品等の有無 】 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。【諸外国の安全等の情報】 諸外国にて重大なリスクとしてアレルギー反応(アナフィラキシー)や膵炎が報告されています。【入手経路等】 多くの場合、クリニックの個人輸入です。 |